企業理念に合う理想の社会人像をいい、具体的な理由まで話しましょう
人材派遣の面接でどんな社会人になりたいかを尋ねる目的は、あなたの考え方が自社に合い、長く働けるかを確かめることです。社会人として働いた経験がない、または浅い場合は、社会人として働く意識がありマナーを守って働けるかを確認する目的があります。
社会人とは誰かの保護下になく経済的にも自立した状態を指すため、それをふまえてなりたい社会人像をまとめましょう。すぐに思いつかないときは、自己分析を行って自分の考え方を知る方法や、家族や友人などにあなたの印象を聞いて分析する方法があります。
あなたの考え方をもとになりたい社会人像をまとめ、応募先の理念や社風に合うものを選んで面接用の回答にまとめましょう。答え方は、結論から始めて具体的な理由を挙げ、企業へ派遣されたあとの働き方を伝えます。
人材派遣の場合、面接が近付いてから応募先企業がわかるケースが多いです。担当者から聞いた企業の情報をもとに理想の社会人像をイメージし、担当者と確認して答えを完成させても遅くはありません。
OK回答例とNG回答例を参考にあなたらしい答えを用意し、スムーズに答えられるよう練習すると安心です。
面接で聞く理由は、自社に合うかやあなたの行動力を確かめるためです
人材派遣の面接で「どんな社会人になりたいか?」と聞かれた場合、次の5つの理由があります。面接官が尋ねる目的を知っていると、意図に沿った回答ができるので好印象を与えられます。
以下の5つの理由に目を通して、面接官が知りたい情報を確実に伝えましょう。
【どんな社会人になりたいか?と聞く理由】
・自社の社風や理念に合うかを知りたい
あなたと会社の相性は、働きやすさにつながるため重要です。社風や企業理念とあなたの考え方が合うと、両者にとって良い環境になります。
企業側もできるだけあなたに長く勤めてもらいたいと思っているので、あなたの理想の社会人像を自社で叶えられるかを確かめます。
・働くイメージがあるかを知りたい
社会人は学生と違い働いて自立することが重要であり、学生のアルバイト感覚ではなく、社会人として働く自覚があるかを確認します。企業側は、会人になると責任のある仕事を任される機会が多いことを理解し、業務にたずさわる人物を求めています。
一人前の社会人として責任を持って働く意識の有無も、面接官が知りたい内容です。
・目標をかかげて行動できるかを知りたい
ビジネスでは、目標を立てて計画的に物事を進めることは欠かせません。そのため、あなたが目標を自ら立てて達成に向けて努力できる人物かを見極めたいと、面接官は考えます。
学生時代や前職の中で目標を達成したエピソードをまじえつつ、企業に派遣されたあとあなたが貢献できることなどを話しましょう。
・希望職種の具体的な業務を理解しているか知りたい
前職で同じ業務の経験がある、または学生時代にアルバイトで働いたことがある場合は、その内容を話すと業務に理解があることをとアピールできます。もし新社会人や未経験の業務へ応募する場合は、事前に仕事内容を把握し、面接で簡単に説明できるよう準備しましょう。
ただし短期アルバイトなどごく短い期間働いただけではアピールにならないこともあるため、注意してください。
・将来の理想像を知りたい
将来の理想像を知ることも、自社との適性を判断する情報になります。企業の理念や社風に合う理想像があれば、すぐに辞めず働き続けられる人材だと面接官はとらえるからです。
互いに相性が良ければ派遣先が決まるまでのあなたの手間も、企業側の人材採用にかかる経費も削減できます。
社会人とは何かを知り、あなたが考える社会人像をまとめましょう
人材派遣の面接で目指す社会人像を伝えるには、そもそも社会人とは何かを知り、考えを深める必要があります。具体的な社会人像の一例も挙げるので、イメージが浮かんでまとめるときの参考にしてください。
【社会人とは?】
社会人とは学校や家庭の保護下になく、経済的にも自立した人のことをいいます。たとえ賃金を受け取っていても、学生をしながらアルバイトで働いた経験は社会人としての経験には入りません。
社会人経験がなくこれから新社会人として働く場合は、学生時代のアルバイトでリーダーシップを発揮した経験などを話せば十分です。
【思いつかないときは?】
どんな社会人になりたいか?と聞かれてすぐに答えられない場合は、あなた自身を深堀りするところから始めましょう。希望した職種についたあとどのように働きたいかをイメージし、そのために必要なことは何かを考えます。
これまでの経験や経歴、スキルなどをもとにあなたが社会人としてできることを考え、なりたい社会人像をまとめてください。あなたが仕事をするうえで、社会に与えたい影響・目指す人間像・将来のライフプランを考えましょう。
自分ひとりで考えるだけでなく、家族や親しい友人などにあなた自身の評価を聞いてみるのもおすすめです。自分では気づいていない強み、周りに知られていないあなたの本心などがわかることもあります。
人材派遣の場合、応募時に企業名を知らないケースが多く、面接が決まる段階で企業名を明かすので、十分な企業研究が難しいこともあるかもしれません。しかし、担当者はあなたの応募先とやり取りを重ねて面接につなげており、企業の情報を持っています。
面接に対して不安があれば、担当者に早めに相談してください。
【社会人像の例】
なんとなく理想の社会人像は浮かんだものの、言葉でまとめられないときのために、一言でまとめた社会人像を紹介します。
・途中であきらめず、最後まで取り組み続ける人
・はっきりした目標を立てて取り組める人
・自分に厳しくできる人
・柔軟に考えの異なる人の意見も聞ける人
・オンとオフの切り替えが上手な人
・周りから頼られる人
・視野が広く、気配りができる人
・職場の雰囲気を明るくする人
・顧客から感謝される人
・言いわけをしない人
あなたが考えた社会人像を表す言葉を使って理由づけまで行い、面接で説明できるよう準備をしましょう。
理想の社会人像を伝えるために、回答例を参考にして答えを用意しましょう
人材派遣の面接で「どんな社会人になりたいか?」と聞かれたとき困らないためにも、あらかじめ回答を作って話す練習をしましょう。OK例とNG例を紹介するので、あなたらしさの伝わる好印象な答えにまとめてみてください。
【回答は結論から始める】
理想の社会人像を答えるには、一言でどのような人物かを話します。次になぜそう考えるかを説明し、具体的なエピソードがあると説得力は高まります。
最後に、希望の職種であなたができる働き方に理想の社会人像を結びつけましょう。応募した職種での仕事を理想の社会人像が結びついていると、その会社での業務を理解し、正しく目標を持っているとアピールできます。
【OK回答例】
「私は、視野が広く周りに気配りのできる社会人になりたいです。視野が広いと物事をあらゆる点から見ることができ、仕事での問題も解決しやすいからです。
大学時代に所属したサークルでは、メンバーをまとめるために細かいところまで配慮し、問題が起きてもすぐに気づき解決するようにしていました。御社へ入社後も職場では周りの状況を知り、必要なことを考えながら働きたいです」
「私はあらゆる意見をまとめてチームを導く人になりたいです。チームのメンバーにはそれぞれの考えがあるため、良さを生かして成果につなげることが必要だからです。
私は学生時代に取り組んだグループワークで、メンバーとの意見交換を行い、調整して考えをまとめる大変さを経験しました。しかし、メンバーのスキルと適性を把握して進めたところ、誰もが納得できる結果につながりました。
この経験を生かし、御社へ入社後も意見をまとめて同じ方向へ進む働きかけができればと思っています」
【NG回答例】
「私は誰にでも気持ちの良いあいさつができる人になりたいです。学生時代のアルバイトで、初出勤の日に先輩スタッフから元気よくあいさつされ、気持ちが明るくなりました。
あいさつは相手とのコミュニケーションに重要なので、早く御社になじみ顔を覚えてもらうためにも積極的なあいさつを心がけようと思います。」
→あいさつは社会人として当たり前のマナーなので、今はできていない印象を与える可能性があります。積極的にコミュニケーションを取れる人を目標にし、困っている人にはすぐに声をかける、細かい声かけやサポートを忘れないなどに変えましょう。
ほかにも、直接仕事に関係のない「友人の多い人」「プライベートが充実した人」なども避けたほうが無難です。
(まとめ)人材派遣の面接でどんな社会人になりたいか?と聞かれたら?
1.企業理念に合う理想の社会人像をいい、具体的な理由まで話しましょう
人材派遣の面接ではどんな社会人になりたいかを聞き、自社に合うかや社会人として働く意識があるかを見ます。理念に合う理想像をまとめ、社会人の自覚があることをアピールしましょう。
事前に答えを用意して面接でスムーズに答えるための練習をします。
2.面接で聞く理由は、自社に合うかやあなたの行動力を確かめるためです
「どんな社会人になりたいか?」と聞く理由は、あなたと自社との相性やあなたの行動力と目的意識、仕事に対する意識などを知ることです。面接官の質問の意図に沿った回答を的確にし、企業側に必要な人材だとアピールしましょう。
3.社会人とは何かを知り、あなたが考える社会人像をまとめましょう
社会人とは学生と違って、誰かの保護下になく経済的にも自立した人を指します。理想の社会人像が思いつかないときは、自己分析をしてあなたが考える社会人像をまとめましょう。
希望した職種で働くイメージから必要なことを考えると、まとめやすいです。
4.理想の社会人像を伝えるために、回答例を参考にして答えを用意しましょう
面接で理想の社会人像をスムーズに答えるため、回答例を参考にあなたなりの答えを考えましょう。結論から始めて理由付けし、もう一度答えを話します。
社会人として当然のマナーは避けて、成長の目標を社会人の理想像として挙げましょう。
著者紹介
プロフィール:佐々木 良和 派遣会社コンサルタント。延べ約1,000人の転職のアドバイスを行い、転職に関わってきた。モットーは「転職者の決断に悔いをさせない」。その豊富な経験を基に多くの人が悩む面接時の悩みに答えるコンテンツを発信中。 |