人材派遣の面接で最近読んだ本を聞かれたら?

学習意欲などをアピールするためにタイトルから考察まで述べましょう


人材派遣会社の面接で最近読んだ本を尋ねる意図は、あなたに学習意欲・論理的思考と説明力・読書習慣があるかを知るためです。あなたの人柄を知るためや緊張緩和が目的の場合もあります。

本について、タイトル・簡単な内容・感想と考察を述べる準備をし、加えて入社後の生かし方まで話せると良いです。面接で最近読んだ本を聞かれて困らないために、読書習慣を身につけましょう。

企業は従業員に読書を習慣づけさせたがっており、身についた習慣はアピールポイントになります。

面接官は学習意欲・論理的説明力・人柄などを確認します

人材派遣会社の紹介予定派遣では、派遣先と事前に面接する場合があります。その面接での質問は一般的な採用試験の質問と近く、最近読んだ本を聞かれるかもしれません。

書籍や文章を扱う業界ではなくても、最近読んだ本を質問するケースは多く、意図はさまざまです。面接官がこの質問で見極めようと意図するポイントを解説します。

・学習意欲がある
読書は情報収集手段のひとつで、希望する職種に関する本または社会や経済の情報を得られる本を読む人を、面接官は学習意欲があると判断する可能性があります。学ぶ姿勢があることは向上心の高さの現れで、最近読んだ本を具体的に紹介できると入社後も積極的に学ぶ人材だとアピールできます。

・論理的思考と説明ができる
仕事では結論とそれに対する具体的な説明が不可欠で、最近読んだ本の内容を説明し、感想と考察を論理的に説明する力があるかを面接官はチェックします。次の章で論理的な答え方は説明しますが、順を追って必要な内容を話せると好印象です。

・読書習慣がある
読書習慣がある人は、常に情報収集を行う人だと面接官はとらえるでしょう。未経験の内容や知らない知識の吸収に読書は最適で、普段から読書すると幅広い事柄の知識が増えます。

ネットサイトやSNSは誰でもわかりやすいよう、平易な言葉を使う傾向にありますが、本には難しい表現もあります。読書は語彙力と文章力アップだけでなく、豊富な知識は人とのコミュニケーションにも役立つため、企業では社員に読書習慣を身につけさせる企画があるほどです。

・人柄を知りたい
読書は知識や経験を補う手段のひとつで、本が人生に影響を与えたと考える人もいます。そのため、面接官はあなたの読んだ本から人柄を知ろうとします。

面接対策で読んだ本や趣味で読んだ本など、どの本をあげてもかまいませんが、あなたが何を感じて何を考えたか聞きたがっています。あなたが選んだ本のジャンル以上に印象に残った部分から考えたことに面接官は興味があるため、特にジャンルにこだわる必要はありませんが、考察を論理的に話せる本を選びましょう。

・あなたの緊張をほぐしたい
面接官は緊張した雰囲気をなごませる目的で、読んだ本の話題をあげることがあります。雑談のようなリラックスした雰囲気で面接官が質問する場合は、あなたの緊張をほぐすためかもしれません。

しかし雑談と決めつけず、本の紹介から考察まできちんと話しましょう。

タイトルと簡単な内容をあげ、感想・考察と入社後につなげて話します


人材派遣会社の紹介予定派遣先の面接で、最近読んだ本を聞かれたときは、
1.タイトル
2.簡単な内容
3.感想と考察
4.入社後こう役立てたい
の順で回答しましょう。

論理的な回答をする人だとアピールでき、最近読書習慣をつけるため本を読み始めたばかりの人も答えやすい方法です。

読書が好きな人や勉強のために読書習慣を身につけた人は、
1.タイトルと作者名
2.簡単な内容
3.その本を選んだ理由
4.感想・学んだこと・生かしていること
5.次に読む予定の本
6.入社後どう役立てるか
まで詳しく回答できると一層充実した内容が伝わります。

最初にあげた4つの項目の答え方を説明します。

1は正確なタイトルと作者名をはっきりと伝えましょう。作者の簡単なプロフィールまで頭に入れると、面接官が掘り下げたときにも対応できるはずです。

2はその本を知らない人が大体の内容を把握できるよう、簡単にまとめて説明します。好きな本ほど内容説明に熱が入りやすいですが、簡潔にまとめましょう。

まとめづらいときは本の帯や書店などの紹介文も参考になります。

3からはアピールポイントにもなる重要な項目で、あなたの人柄も反映する内容です。面白かった、ためになったなど簡単に済ませず、学んだ内容と考えたことまで述べて、4の入社後にどう役立てるかにつなげると印象の良い答え方ができます。

回答をイメージするために、回答例を紹介します。

・ビジネス書の場合
私は最近、稲盛和夫さんの「生き方」を読みました。この本には、日本の代表的な実業家である稲盛和夫さんの仕事に対する信念と生き方が書いてありました。

この本を手に取ったとき、私は何もかもつまらないと悩んでおり、成功者の人生哲学に触れれば何か変わるかもしれないと思って読み始めました。この本から、生きることは魂を磨くことであり、道徳を胸にして人の役に立つ、つまり心で仕事をする大切さを学びました。

それまでの私は自分の都合ばかり考えて過ごしており、恥ずかしくなりました。今は自分のことだけでなく周りの人の役に立ち、幸せにすることを考えて過ごしています。

御社で事務職として働くにあたり、社内・取引先の方々の幸せを考えたいと思っております。

・小説の場合
私が最近読んだ本は、水野敬也さんの「夢をかなえるゾウ」です。テレビドラマ化やアニメ化された作品は見ておりましたが、原作を改めて読みたくなり手に取りました。

夢を叶えるための教訓がたくさん書いてあり、夢を想像する・欲しいものを口に出すなどをストーリーから学べる本です。教訓のひとつにあった、やらずに後悔していることを今日からするという言葉が印象に残りました。

そのとき先延ばしにしていた部屋の掃除にすぐに取り掛かり、これをきっかけに先延ばしをやめようと思いました。悩んでやらない時間をなくすと、やりたいことに時間を作れると気づけたので、仕事でも迷わずすぐに行動に移すことを心がけたいです。

最近読んだ本の回答に悩まないよう、読書習慣を身につけましょう

面接で最近読んだ本を聞かれても困らないよう、日頃から読書する習慣をつけましょう。スマホの普及で情報収集はネットサイトやSNSを使う人が多いですが、本は難しい表現や日常生活では触れる機会の少ない言葉に出会えます。

入社後も読書習慣の習得を会社側がすすめるため、既に読書習慣があるとアピールできれば強みになります。面接だけでなく就職後にも役立つ、読書を習慣づける方法を紹介します。

・好きなジャンル、簡単と感じる本を選ぶ
興味のある内容の本は手に取りやすく楽しく読書ができるため、本が苦手な人は慣れる目的でライトノベルや文字のぎっしり詰まっていない本を選ぶ方法もあります。少しずつビジネス書や小説へ移行し、仕事で役立つ本にも目を通しましょう。

面接の回答にあげる本は業界に関係する内容に限らず、あなたが興味を持ち考察できる本でかまいません。迷うときはランキングなどを参考に評判の良い本の中から選びましょう。

・1日5ページ程度の目標から始める
読書量を増やそうと思うと高い目標を立てがちですが、慣れない読書は時間がかかります。文字の小さな本を選んだ場合、5ページ読むために長い時間がかかる人もいます。

すぐに読めそうと感じるページ数を設定して始め、一定の間隔で目標ページ数を増やすと読書量が増やせます。

・読書時間と場所を決める
あまりやる気が起きなくても、デスクに座れば自然と仕事をするように、読書を時間と場所で習慣化します。例えば通勤電車の中や昼食後のデスク、お風呂にお湯が張るまでリビングのソファで、など気軽に行える時間と場所でかまいません。

本の内容によりますが、寝る前のリラックスタイムに読書する方法もあります。この場合、紙の本を読みスマホアプリは控えた方が眠りやすいでしょう。

・隙間時間の活用
読書時間と場所を決めることが難しい人は、毎日同じ時間と場所に縛られず、隙間時間を活用しましょう。薄めの文庫本やスマホアプリを使うと、バッグやポケットに入れて持ち歩きやすく、気づいた時間にすぐ読書ができます。

・流し読みを心がける
本は一字一句暗記するように読まなくても、大体の内容がわかれば問題ありません。どうしても気になる部分はくり返し読んでかまいませんが、読書量を増やすには流し読みもひとつの方法です。

先に序文とあとがき、次に目次を読んでから本文に入る斜め読みをすると、読む速度アップにも役立ちます。

・SNSなどで読書の継続を宣言
公言してあとに引けない状況を作り、どうにかして読書を続けるための方法です。三日坊主になると多くの人に知られるため、責任感のある人に効果的なやり方ですが、フォロワーからの応援も期待できるので、サポートが欲しい人にもおすすめです。

どんな本をどこまで読んだかページ数で表記すると、ネタバレに配慮ができ、あわせて残りページ数も書くとゴールがわかりやすく励みになります。

(まとめ)人材派遣の面接で最近読んだ本を聞かれたら?

1.学習意欲などをアピールするためにタイトルから考察まで述べましょう
最近読んだ本を質問する目的は、学習意欲や論理的思考、説明力、読書習慣があるか見ることです。本の説明から考察まで話せる準備をし、普段から読書する習慣をつけましょう。

2.面接官は学習意欲・論理的説明力・人柄などを確認します
人材派遣会社の面接で最近読んだ本を聞く意図は、あなたの学習意欲・論理的思考力と説明力・読書習慣を知るためです。他に、人柄を知るためや緊張緩和の目的で尋ねるケースもあります。

3.タイトルと簡単な内容をあげ、感想・考察と入社後につなげて話します
最近読んだ本の答え方は、タイトル・簡単な内容・感想と考察・入社後どう役立てるかの順で述べましょう。その本を読んでいない人にも伝わるまとめ方を心がけ、本を読みどう考えどう生かすかを重視した内容にします。

4.最近読んだ本の回答に悩まないよう、読書習慣を身につけましょう
読書習慣を身につけて、最近読んだ本を答える準備をしましょう。読書習慣をつけるコツは、読みたいジャンルの簡単な本を選ぶ・1日少量ページから読む・読書する場所と時間を決める・隙間時間の活用・流し読みする・SNSで読書継続を宣言などがあります。

著者紹介

著者情報プロフィール:佐々木 良和
派遣会社コンサルタント。延べ約1,000人の転職のアドバイスを行い、転職に関わってきた。モットーは「転職者の決断に悔いをさせない」。その豊富な経験を基に多くの人が悩む面接時の悩みに答えるコンテンツを発信中。

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